酒が飲める方が面白いか、飲めない方が無事か、That is the question です。

ほろ酔いか、泥酔か、飲みっぷりも “the question” です。

良寛記念館

 

「師常に酒を好む、然りと雖、量を超えて、酔狂に至るを見ず」と弟子に評された、良寛は達人ですね。戒律の厳しい禅宗の僧侶にありながら、般若湯(酒)を好み、彼の無欲恬淡さを慕う民と、頻繁に杯を交わしたそうです。

  ほろ酔ひの足もと軽し春の風

 

普通は、ひとたび飲み出すと、この境地に踏みとどまるのは至難の技です。
例えば、次の具体例で検証して見ましょう。

吉田卓郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪ 旅の宿 

             作詞:岡本おさみ
            作曲:吉田拓郎

 浴衣のきみは尾花の簪
熱燗徳利の首つまんで
もういっぱいいかがなんて
みょうに色っぽいね

ぼくはぼくで趺坐をかいて
きみの頬と耳はまっかっか
ああ風流だなんて
ひとつ俳句でもひねって

気分は乗ってきたけれど、実際、俳句は詠まれてはいなさそうですね。良寛さんの場合は、この段階でお猪口を置いて爽やかに席を立ち、帰りがけ、風情に任せて俳句や和歌を詠ったわけです。

部屋の灯をすっかり消して
風呂あがりの髪いい香り
上弦の月だったっけ
ひさしぶりだね
月みるなんて

上弦の月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここら辺が熱燗の切り上げどきでした。いや、時、既に遅し、です。

ぼくはすっかり酔っちまって
きみの膝枕にうっとり
もう飲みすぎちまって
きみを抱く気にもなれないみたい

見事な、一巻の終わりでした。

ウィキペディアの「膝枕」に関する解説が面白いです:

膝枕(ひざまくら)とは、2人のうち片方が正座又は正座に近い体勢で膝を折り、もう片方がその膝に頭を乗せて体を横にすること又はその体勢をいう。膝を枕のように用いることから名付けられたと考えられる。しかし、実際には膝というよりも腿の部位にあたる。なお、長椅子やベッドに腰掛けている場合は膝を折る必要はなく、座っているままの体勢で膝枕が可能となる。
この体勢を取ると必然的にその2人は接触することになり、無防備な体勢となるため、お互いに心を許しているとみなされる。愛情表現として、主に女性が膝枕をし、男性がそこに頭を乗せ横になる場合が多いとされているが、当然逆の場合もある。 

遊びつかれた子供たちは、良寛さんの慈愛の膝枕で気持ちよく眠ったようです。

膝枕