酒を飲んでも適度に留め乱れることもないgentlemanに敬意は表するものの、圧倒的に面白いのは、徹底的に飲みまくって必ずエピソードを残す、愛すべき輩です。

学生時代、アルバイトで塾の手伝いをしました。主に中学生相手でしたが、今にして思えば、懐かしい記憶が蘇ります。

同僚に法学部のK先生という先輩がおられ、ときには体罰も辞さない熱血漢でしたが、生徒からは兄貴のように慕われていました。


きのう、自宅で2階の窓枠にまたがってウィスキーをあおっているうちに、すっかり気持ちよく酔っちまってね、さあ、降りようというとき、どっちが自分の部屋で、どっちが外か判らなくなっちゃった。
確立2分の1、ここは男だ!と思い切って飛び降りたら、あいにく庭の方だったのさ。まあ、茂みの中に突っ込んだのと、物音に気付いた家族が直に介抱してくれて、助かったけどね・・・

その日も授業の後、ビールを片手に、にこにこ話してくれました。

天知マリ (一方、当時、窓辺の天使と称された“隣のまりちゃん”『時間ですよ』)

 

ある日の昼下がり、仲間のM先生が塾にやってきたところ、職員室の引き戸が外れています。訝しげに中に入ると、「おい、○○!」とM先生の名を呼ぶ、押し殺したような声が聞こえてきます。

見渡すと、部屋の片隅に引き戸に埋もれたK先生が、固唾を呑んでじっとこちらを伺っています。「○○、良いところに来てくれた。ところで地震は治まったか?」

事の顛末はこうです;
前夜、何かの打ち上げと称して、さんざん飲みまくり、良いつぶれた挙句、そのまま床に崩れ落ちて寝入ってしまった。
夜中に寒くなったので、無意識のまま引き戸を外して、布団の代わりに羽織って寝直した・・・朝日が射し込み目を覚ましたら、非常な状況(自らの尋常でない体勢)に気付き、さては地震が起きて下積みになっているに違いないと錯覚した。ここで下手に動いては危ないと、賢明にも助けが来るまで待ち続けた・・・ひたすら数時間も。

今から40年ほど前の話です。当時は、フォークソングが百花繚乱台頭し、街中に曲が流れ、若者はギターを抱えて口ずさみ、一世を風靡していました。

フォーク