同じ酸味にしても、柚子は醜女(しこめ)の深情け、檸檬(れもん)は生意気な小女郎(こめろう)じゃな。いずれもあるじたる秋刀魚の味を脅かす。阿波の酢橘(すだち)は上品で慎ましやかで、そのうえとびきりの別嬪じゃ。
                     (浅田次郎『一刀斎夢録』)

斎藤一は、幕末の動乱から西南戦争を経て、大正初期までを生き抜きました。
沖田総司、永倉新八と並び新選組最強の剣士の一人と言われています。

従来、取り上げられることの少なかった実在人物ですが、浅田次郎の新撰組三部作では個性際立つ人格として、漫画『るろうに剣心』ではダークヒーローとして描かれ、知名度を上げました。

浅田次郎

NHK大河ドラマ『八重の桜』では剣の凄腕とともに、相当な酒豪としても紹介されています。

ところで、酒好きを『左党』と称します。語源には幾つかの説があるようです。

① 大工が使うノミに由来する。ノミを持つのが左手、つまり「飲み手」であると言葉掛けした。
② 武士はいつでも脇差しの刀を抜けるよう右手を空けておくため、左手で酒杯を持つのが作法だった。

 斎藤一は、史実を検証すると超左利きでした。これが相手の虚をつく強さの秘訣でもありました。すると:::、彼は、酒盃を右に持ったはずですね。

旬の秋刀魚が、居酒屋のメニューを彩ると、“秋たけなわ”を感じます。
そして、秋刀魚、酢橘、に加えて、“冷おろし”、と3拍子揃えば最高です。