少し間が空いてしまいました。
前回のコラムの最後にお知らせした通り、今回は遺伝子多型についてお話したいとおもいます。

 

簡単に言うと、遺伝子多型とは「遺伝子の本体であるDNAの塩基配列の個人差」です。
(DNAの情報は塩基の並びに保存されており、それを塩基配列といいます。塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4つで、この並びが大切です。)

代表的な遺伝子多型としてはSNP(一塩基多型)や マイクロサテライト多型がよく知られております。

代表的な遺伝子多型

 

SNP:Single Nucleotide Polymorphism(一塩基多型)は文字通り、1つの塩基が別のものに変わっている個人差です。ピロリ菌除菌の際に話題になる多型、CYP2C19*3などはSNPです。 

マイクロサテライト多型は、数個の単位の配列が数回から数十回繰り返す(繰り返し配列)の繰り返し回数の個人差です。イリノテカンなどで有名な遺伝子多型UGT1A1*28は、TAの繰り返しが通常6回であるのに対し、7回になっているのでマイクロサテライト多型になります。

 

前回は、「タンパク質に変化」があると薬物応答の個人差につながり、その「タンパク質の変化」の大きな原因が遺伝子、DNA・RNAの変化であるとお話しました。

では、なぜ遺伝子の変化(多型)が「タンパク質の変化」の原因になるのでしょうか?

 

塩基配列からタンパク質.jpg

単純に言うと、タンパク質はアミノ酸が長く結合して出来ています。
アミノ酸の並びがタンパク質の形を決め、機能を生んでいます。ですので、アミノ酸の並びが変わると、タンパク質の形が変わってしまい機能がなくなったりするのです。
この大切なアミノ酸の並びを決めているのがDNAの塩基配列です。

1つのアミノ酸は、3つの塩基配列によって指定されます。

 

図のように、DNAの塩基配列に合わせてアミノ酸が並んでいくのです。
(指定席についていくイメージ?)

 

もし、この塩基配列にSNPなどの多型があった場合、アミノ酸の並びが変わったり余計なアミノ酸が増えたりします。

多型とタンパク質変化.jpg

 

 

するとタンパク質の形に変化が生じたりして、本来の働きができなくなったりするのです。

これが、遺伝子の変化(多型)により「タンパク質の変化」が起こるということです。

 

 

回りくどい説明になりましたが、タンパク質とDNAの関係と遺伝子多型の意味は分かっていただけましたでしょうか...

何か質問・要望などございましたら、コメントやお問い合わせからお気軽に。